僕らのあの空

21歳、札幌すすきのでクラブデビューしたらどハマりした話(後半)

 

 

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前半の続きです 

 

 

 

 

「お前、相席屋で一万円使って背中さすって満足するなんてとんでもない粗チン野郎やな!!!!!ッッ死ね!!!!!!」

 

 

 

 

「ッアアア゙ア゙~~~~~~イ!!!!!!いっぱ~~~~~~い!!!おっぱ~~~~い!!ぷるんぷる~~~~~ん!!!!!!」

 

 

 

なんということ。頑張って相席屋で女の子に話しかけた結果ボロクソに怒られてしまいました。

でも確かに男らしくなりたくてすすきのに行って、一万円弱使って女の子とお喋りして帰ってくるだけなんて意味が分からない。自分でも意味が分からない。丸1日落ち込んだ。

 

 

確かにお喋りしてて楽しかった。とても楽しかった。しかし自分が勇気を出して手を出さなかったのも事実である。

 

思えばいつも私はこうだった。好きな女の子の前でも「嫌われたくない」「振られたらどうしよう」などとうじうじと悩んでは行動する事をためらっていた。

 

しかし、行動しない男にチャンスの神様は微笑んでくれない。リスクを恐れて行動しない事こそが一番のリスクなのである。若干21歳の若造が女に振られたくらいで何を失うものがあろうか。女に振られたからといって

 

「はい〜〜〜〜〜〜!!!!振られた〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!私に振られた事をお前の周りの家族親戚友人知人全てに孫の代まで語り継いでやるデシ〜〜〜〜〜〜〜wwwwwwwwwwww」

 

なんて事にはならないのである。何を恐れることがあろうか。

 

一番恐ろしいのは、いざと言う時に好きな女の子に勇気を出した行動を取れない事である。見ず知らずの女に勇気を出せないで身近で本当に好きな女に勇気を出せるわけがない。

 

私は人生の次のステップへと飛びたつ時期だと確信した。「男になりたい。」だが方法が分からない。

 そんな時姉さんが声をかけてくれた。

 

「お前には相席屋なんて生ぬるい、クラブや!!!クラブ行ってこい!!!!!

クラブ遊びが趣味の女の子に連絡しといたから一緒に行きな!!!!」

 

 

 

「ヘヘッ、、、!そうこなくっちゃよう、、、!!」

 

 

 

 楽しくなってまいりました。舞台はすすきので一番盛り上がってるらしいクラブ「キングムー」です。人見知りでチキンでカスの私に課せられたノルマは「知らない女の子10人に声をかけること。お持ち帰りできたら花まる」である。

 

24時にキングムー前で待ち合わせして、いざ中に。初クラブでございます。

 

 いざクラブへ

クラブの中は溢れ返る人。人。人でいっぱい。

ギラギラとあたりを照らすライト。

骨の奥までズンズンと響いてくる重低音。

そしてダンスフロアで飛び回る若い男女。

 

こ、これは、、、!!!!

ついていけねえ、、、、、!!!!!!

 

完全についていけない私。

ウロウロしては数回飛び跳ねてまたウロウロして数回飛び跳ねる。奇妙である。

 

「ええい!酒の力に頼るしかねえ!!」と思いチケットとお酒を交換しては一気に飲み干し、次の酒を頼んではまた一気に飲み干す。

程よくアルコールが回ってくる。

 

 

ズンッズンッ

 

 

 

 

ズンッズンッ

 

 

 

 

 あっ……ちょ………

 

 

 

 

 

 

 ズンッズンッ

 

 

 

やべぇ…………

 

 

 

 

 

 

ズンッズンッ

 

 

超.......楽しい……!!!!(既にほろ酔い)

 

 音楽に身を任せて、体を休むことなく動かす

。隣りにいる女の子に「一緒に踊ろう?」と声をかけて、手を繋いだり肩を組んだりして音と共に飛び跳ねる。

疲れきったら「奢るから一緒にお酒飲まない?」といって一緒にお酒を飲み、また踊る。因みにこれらのセリフはめちゃくちゃググって事前に準備してた。

 

しかし女の子と踊り続けているうちに、謎の男集団が束になって「フ〜〜〜wwww」などと意味のわからない言葉を発しながら女の子を取り囲んで横取りして行ったり、イケメンが女の子を誘惑し連れ去ったりする。悔しい。しかしここで負ける訳にはいかない。

 

色んな女の子に声を掛け、共に踊り、別れ、また声を掛け、踊り、別れる。その繰り返しを延々と続ける。暑い。楽しい。

 

音楽が頭の中に休むことなく流れ続ける。アルコールが行き渡った身体にズンズンとリズムの振動が響いてくる。頭の中を殻にして、頭で考えるより先に身体で動く。音に体を合わせる。楽しい。

 

 

 

「そうか……私の居場所はここだったのか………!!」

 

 女の子と踊りながら私は確信した。クラブは私をずっと待っていたのだ。

 

 

 

 

私はいわゆる「恋愛体質」だった。

常に誰かしらに恋していなくては気がすまず、女の子に恋することで人生をキラキラさせようとしていた。

しかし、恋に常にしがみついていたのは「女の子に恋することでキラキラしていた人生を失いたくない」という気持ちと、「恋する以外に、自分の心の寂しさを埋め合わせる方法が分からない」という理由だった。

 

「恋に恋することで自分を救おうと」必死だったのだ。決して抜け出せない底なし沼にはまっているにも関わらず、埋められない穴を無理に埋めようともがき続けていた。

常に私は孤独だったのだ。

 

しかし、ここには私と同じように心に寂しさを抱えた仲間がいるではないか。

みんな笑顔で踊ってる。「クラブは嫌いだ」と行く前から毛嫌いしていた自分が嘘のようだ。行ってみないと一生分からなかった小さな世界がここには広がっていた。

 

 

女の子とキスしたわけでもエッチしたわけでもないのに、一緒に踊って一緒にお酒を飲んで一緒に汗をかくだけでこんなにも寂しさがなくなるものなのかと。今までの人生が嘘のようだ。

 

クラブを終えて

 

結局クラブで最後まで踊りきり、最後に声をかけた女の子と一緒に外に向かいます。

夜が明けて、朝5時のすすきのの凍えるような風は私の体を程よく冷ましてくれました。

 

 

駅まで手をつないで歩いて、札幌駅で握手して別れます。もう二度と会うことはないでしょう。

 

 

 

僕は朝日に照らされた時点で気づいていました。クラブの中では暗くて、本田翼のような顔だちだと思っていても、外でよく見るとキングオブコメディの今野にそっくりだったと。これが「クラブマジック」なんだったと。

 

 何度も見返して「え?今野?本田じゃなくて今野?本田…今野……HONDA………KONNO………ホンコン………訳わかんない……」

という思考のループを何度繰り返しても目の前には今野。

 

しかし今は清々しい気分。ばっさーが今野だったなんて今はもうどうでもいい。

クラブに行く前はあれだけ寂しくて寂しくて仕方なかったのに、今は何故か心が満ち足りている。これだ。これこそが一番の収穫だったのだ。

 

少しは男に近づけただろうか。

 

寂しくて仕方のない夜はきっとこれからもクラブに行くだろうなと帰り道でおもいましたとさ。